
「高齢者見守りサービス」と聞くと、離れて住む高齢者が元気でいるかどうか、家族に代わって見守るサービスと思う人が多いのではないでしょうか。
実はすでに、家族以外でも利用できる見守りサービスが登場しています。高齢の入居者を抱える賃貸住宅オーナーは、導入を考えてみてもいいかもしれません。
高齢者見守りサービスとは、どんな内容なのか

高齢者見守りサービスは、高齢化社会が進んで一人暮らしの高齢者が増えてきた2000年頃からスタートしました。以降、ホームセキュリティ企業や保険会社などが次々と参入し、サービスの幅もかなり広がってきています。
見守り方も企業によってさまざまですが、大まかに分類すると「センサー型」「オート電話型」「カメラ型」「訪問型」「宅配型」の5つに分かれます。
センサー型は、冷蔵庫などの家電機器や電灯のスイッチにセンサーを仕掛け、使い方によって日常生活が無事に送れているかを判断するものです。ガスや水道の使用量で判断するタイプもあります。
オート電話型は、毎日決まった時間に電話やメールで高齢者に安否を尋ね、異変があったらサービスの依頼者に連絡するというもの。部屋に機器など設置する必要がないというメリットがありますが、返答を面倒に感じる高齢者もいます。
カメラ型は、高齢者の自宅にカメラを設置して、24時間365日の体制で見守るサービスです。遠隔地の家族も映像を確認できるため安心ですが、監視されているようで嫌だという高齢者も少なくありません。
訪問型は、専任のスタッフが高齢者の自宅を定期的に訪問し、安否を確認するとともに高齢者の相談に乗ったりするものです。郵便局員など、毎日その地域を巡回している人が、スタッフを兼任することも多くなっています。
宅配型は、主に食事宅配サービスの企業が行っています。毎日の食事を届ける際に高齢者の安否を確認するサービスで、高齢者に合わせたさまざまな食事メニューがそろっているところも魅力です。
賃貸物件オーナー向けの見守りサービスも登場

以前はの高齢者見守りサービスは、親族を対象にしたものでした。しかし近年、親族以外が利用できるサービスが登場してきています。
注目したいのは、賃貸物件のオーナー向けに特化した見守りサービスです。
入居者の安否を見守り、異変があったらオーナーに知らせるのはもちろん、万が一のトラブルが起こった際には部屋の原状回復費用を補償する損害保険がセットになっているのです。
室内での孤独死などのリスクを考えると、高齢者には入居してほしくないと考えるオーナーが多いことでしょう。しかし、こういった保険とセットになった見守りサービスを利用すれば、リスクは引き下げられます。
現状、高齢者は賃貸住宅への入居が難しく、社会問題となっています。高齢の入居者を受け入れれば、有効な空室対策になることでしょう。
入居者になにか異変があっても、見守りサービスを利用していれば早期発見ができます。気づかないまま部屋を汚されてしまうことがないので、所有物件の価値を守ることにもつながります。
オート電話型のサービスなら、居室の工事も必要ありませんし、入居者のプライバシーにも配慮できます。また、サービス利用料も月額500円程度からと、かなり手頃な価格になっています。
安定した賃貸経営を長く続けていきたいと思うなら、見守りサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。