
「ソーシャルアパートメント」と呼ばれる、単身者向けの賃貸物件をご存知でしょうか。近年、都市部を中心にじわじわと増えてきています。
注目のソーシャルアパートメントについて、どんな物件なのか、ワンルームマンションやシェアハウスとはどう違うのか、ご紹介しましょう。
ソーシャルアパートメントは、新たなワンルームマンションの形

ソーシャルアパートメントをごく簡単に説明すると、ラウンジやスタジオ、ジム、シアタールームなどの共用施設を備えたワンルームマンションのことです。
「ソーシャルアパートメント」という言葉は、株式会社グローバルエージェンツが商標登録をしているので、他社は使えません。ただ名前は違っていても、同じようなタイプの賃貸物件が次第に増えてきています。
ラウンジやジムといった豪華な共用施設のある物件といえば、ファミリー向けの分譲マンションが中心でした。住民なら誰でも自由に共用施設を使えるため、物件の価格が相場より多少高くても人気となっています。
ソーシャルアパートメントも考え方は同じで、共用施設があることで集客効果を高め、空室対策を行っているのです。
単身者向けの賃貸物件で、共用設備を通して入居者同士が交流を深められると聞くと、シェアハウスを思い浮かべる人も多いでしょう。シェアハウスとソーシャルアパートメントの違いは、各居室の設備です。
シェアハウスは一般的に、キッチンやバストイレなどが共用設備になっています。各居室は寝室程度のため、共用設備を使わなければ日常生活を完結させることができません。
対してソーシャルアパートメントは、キッチンやバストイレなど日常生活に必須の設備は、すべて各居室に備えられています。共用施設を使わなくても、生活に支障が出るわけではありません。
一人暮らしには不安があり、他人と交流は持ちたいものの、つねにコミュニケーションを強いられるのは負担が大きい、と考える層に、ソーシャルアパートメントはぴったりといっていいでしょう。
コンセプトに合わせたリフォームでソーシャルアパートメント化

以前は、ワンルームマンションは手頃な投資先といわれていました。そのため多くの物件が建設され、現在はすでに飽和状態となっています。
ワンルームマンションを1棟所有しているオーナーなら、所有物件をリフォームして、ソーシャルアパートメント化することを考えてみてはいかがでしょうか。
ワンルームマンションに共用施設を造る場合、ラウンジやジムやスタジオと何種類も設置するのではなく、コンセプトを決めてリフォームすることをおすすめします。
たとえば、自由に使えるジムを造ってフィットネス機器を設置しておけば、健康意識の高い入居者が集まることでしょう。そのほかの共用施設が一切なくても、コンセプトに共感した人に対しては強い訴求力となるのです。
完全防音の音楽スタジオを造れば、ミュージシャンを目指す人や趣味でバンド活動をしている層に訴求できます。近隣に音楽大学があるなら、音大生にもアピールできることでしょう。
ソーシャルアパートメント化すれば、共用施設があることで賃料を相場より高く設定できるというメリットもあります。
もちろん、共用施設を管理する手間がかかるというデメリットもありますが、空室対策として考えてみてもいいのではないでしょうか。