
2024年1月1日から、住宅ローン控除の適用条件が変更になりました。気をつけておかないと、「住宅ローン控除を見込んでいたのに、利用できなくて家計が苦しくなってしまった」といったことも……。
改めて住宅ローン控除について、どんなポイントが変更になったのかを見ていきましょう。
省エネ住宅でないと住宅ローン控除が受けられない!?

2024年1月1日以降は、基本的に省エネ基準をクリアしている住宅のみが、住宅ローン控除の対象となります。省エネ基準をクリアしている住宅とは、「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」です。
その他の住宅については、「2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅」なら住宅ローン控除が利用できます。ただしその他の住宅についても、省エネ基準をクリアしているかどうかで、利用できる限度額が違ってきます。
2023年までと2024年以降でどのように変わったか、表で見比べてみましょう。
住宅の種別 | 2023年まで | 2024年から | |||||
借入限度額 | 最大控除額 | 控除期間 | 借入限度額 | 最大控除額 | 控除期間 | ||
新築住宅 | ①長期・低炭素認定住宅 | 5000万円 | 455万円 | 13年 | 4500万円 | 409.5万円 | 13年 |
②ZEH水準省エネ住宅 | 4500万円 | 409.5万円 | 3500万円 | 318.5万円 | |||
③省エネ基準適合住宅 | 4000万円 | 364万円 | 3000万円 | 273万円 | |||
その他の住宅 | 3000万円 | 273万円 | 0円 | 0円 |
| ||
中古住宅 | ①②③の住宅 | 3000万円 | 210万円 | 10年 | 3000万円 | 210万円 | 10年 |
その他の住宅 | 2000万円 | 140万円 | 2000万円 | 140万円 |
省エネ基準をクリアした住宅でも、最大控除額が引き下げになっていることがわかるでしょう。中古住宅については2024年以降も変更がないため、省エネ基準をクリアしていない新築住宅よりも、中古住宅を購入した方が負担を軽減できるといえます。
ただ、2024年から施行される子育て支援政策で、「未成年の子どもがいる世帯」または「夫婦どちらかが39歳以下の世帯」については、2024年は借入限度額の引き下げが見送りとなっています。
また、省エネ基準をクリアしていないその他の新築住宅であっても、2024年6月30日までに建築された住宅ならば、「借入限度額2000万円・控除期間10年間」という条件で住宅ローン控除が利用できます。
2024年から住宅リフォーム控除の範囲が拡大

2024年1月1日以降は基本的に、省エネ基準を満たしている住宅しか住宅ローン控除が受けられないといいました。そのため住宅ローン控除を申請する際には、基準を満たしていることを証明する「建設住宅性能評価書の写し」か「住宅省エネルギー性能証明書」が必要になります。
これらの書類は、施工会社に発行してもらわなければなりません。新築住宅を購入する際にはあらかじめ、施工会社に依頼しておきましょう。
中古住宅の住宅ローン控除については、2023年までと特に変わりはありません。ただ、中古住宅をリフォームして入居する場合、リフォーム費用の10%を所得税から差し引く「住宅リフォーム控除」が利用できるケースがあります。
住宅リフォーム控除は、2023年までは耐震・省エネ・長期優良住宅化・三世代同居・バリアフリーの5つのリフォームが対象でした。2024年からは範囲が拡大され、子育て応援リフォームも対象となります。
子育て応援リフォームの内容は、子どもの転落防止用柵の設置や、防音性の高い床や窓への変更、対面式キッチンへの変更、収納設備の増設などです。
リフォーム費用まで含めて住宅ローンを組んで住宅ローン控除を利用するよりも、リフォーム控除を利用したほうがお得になるケースも。できるだけ節税できるよう、事前によく考えて決めたいものです。
また現在の住宅ローン控除制度は、2025年12月31日までに入居した人が対象となっています。2026年以降は今のところ未定ですが、一切なくなる可能性は低いといっていいでしょう。
ただし、2026年以降も住宅ローン控除が継続になったとしても、控除額がさらに縮小されると考えられています。マイホームを購入するなら、なるべく早く決断することをおすすめします。