不動産投資の「ROI」とは?
ROIが高い物件を選んだほうがいい?
2023年12月08日
不動産投資について調べたり、実際に不動産投資をしていたりすると、「ROI」という言葉を耳にすることがあるでしょう。
ROIは不動産投資の効果を示す指標のひとつです。どういう指標なのか、計算方法など、詳しく解説します。
ROIは投資金額の回収率を示す指標
ROIとは、投資した金額をどのくらい効率よく回収できているかを示す「投資利益率」のこと。「Return On Investment」の略語で、「アールオーアイ」または「ロイ」と読みます。
ROIの数値が高いほど、投資金額に対する収入の割合が大きくなります。つまり、効率のいい不動産投資ができているということです。
ROIの計算方法は、決して難しくありません。「年間キャッシュフロー÷物件の購入総額×100」で求められます。
年間キャッシュフローとは、1年間の家賃収入から修繕費・管理委託費・火災保険料・固定資産税・ローン返済額などの支出すべてを差し引いた金額です。また物件の購入総額には、購入時に必要な手数料や登録免許税なども含みます。
不動産投資でROIを利用すると、レバレッジ効果が分かりやすいというメリットがあります。2つの投資用物件でどちらが儲かるのかを比較したい時に、それぞれのROIを計算してみれば一目瞭然でしょう。
ROIは実質利回りより現実に即した指標
不動産投資の世界では、ROIのほかにもさまざまな指標があります。ROIと似ているものとしては、「実質利回り」が上げられるでしょう。
ROIと実質利回りでは、どこがどのように違うのでしょうか。それぞれの計算式を見てみましょう。
・ROI 年間キャッシュフロー ÷ 物件の購入総額 × 100
・実質利回り (年間家賃収入 - 年間にかかる諸経費)÷ 物件の購入総額 × 100
実質利回りでは、年間家賃収入から差し引くのは物件の運用にかかった諸経費のみです。投資ローンの返済額は計算に入れません。
ROIでは、ローン返済額や固定資産税なども差し引いた「実際に手元に残るお金」で計算します。そのため、実質利回りより現実に即した指標といってもいいでしょう。
ただし、いくら現実的な指標といっても、気にしすぎてはいけません。たしかにROIは不動産投資で重要な指標のひとつですが、絶対的なものではないからです。
どれほど魅力的な投資用物件であっても、つねに満室ということはあり得ないでしょう。築年数が経てば、家賃を下げなければ入居者が集まらないといったこともあります。
空室が出る、家賃を値下げするといった状況の変化で、ROIの数値は変わってきます。特に物件の購入前は、利益を想定して計算するしかないので、実際に購入してから「思ったように利益が上がらない」ということも起こります。
投資ローンを変動金利で借りる場合、返済額も一定ではありません。金利が上がって返済額が高くなれば、当然のことながらキャッシュフローは悪化します。
キャッシュフローの変化によって、ROIの数値も変わってきます。ROIは絶対的な指標ではなく、つねに変化することをよく理解した上で、不動産投資の参考にしましょう。