2023年11月10日
投資物件としてマンションを選ぶ場合、1棟丸ごと購入する方法と、分譲マンションの1室のみ購入する方法があります。
それぞれのメリットとデメリットを比較して、どんな違いがあるか、どちらが投資に向いているのか考えてみましょう。
1棟物件のメリットとデメリット
1棟物件のメリットは、何といっても部屋数が多いことでしょう。部屋数が多ければ、それだけ家賃収入も多くなります。また、空室リスクも抑えられます。
区分マンションを1室だけ所有している場合、空室になれば家賃収入はゼロになってしまいます。1棟物件では、空室が出たとしても一部のみなので、家賃収入は減ってもゼロになることはありません。
入居に関するルールなどをオーナーが自由に決められるのも、1棟物件のメリットです。区分マンションの場合、管理組合で決められた規約に従う必要がありますが、1棟物件ではオーナーが規約を設定する立場です。
新しい共用設備の導入や外観のリニューアルといったリフォームも、オーナーの一存でできます。物件の価値を高めて入居者が集まりやすくする対策が立てやすいといえるでしょう。
1棟物件のデメリットは、購入費用が高いこと。また、建物の管理維持費や修繕費も、区分マンションと比べると高額になります。
1棟物件では、エントランスや廊下、エレベーターといった共用設備も、オーナーが維持管理しなければなりません。運用に当たっては、定期メンテナンスや修繕にかかる費用も見込んでおく必要があります。
さらに、入居者が多ければクレームやトラブルの数も増えると考えていいでしょう。管理会社に委託すれば維持管理やクレーム対応の手間は減らせますが、管理会社への委託費用がかかってしまいます。
区分マンションのメリットとデメリット
区分マンションのメリットは、比較的少額で投資を始められること。万が一失敗した場合の損害額も抑えられるので、投資初心者向けといってもいいかもしれません。
1棟マンションより価格が安いというのは、出口戦略が立てやすいことにもつながります。売却する際にも買い手がつきやすいので、市場の動向に合わせて投資の方向性を切り替えることができます。
維持管理の手間がかからないのも、区分マンションのメリットのひとつでしょう。共用部など建物そのものの維持管理や修繕はマンションの管理組合が担っているので、所有している部屋の維持管理のみを考えるだけで済みます。
反面、管理組合が決めた規約には従う必要があります。たとえば「ペットの飼育は禁止」という管理規約がある場合、いくら自分が所有する部屋であっても「ペット飼育可」で貸し出すことはできません。
区分マンションのもうひとつのデメリットは、空室リスクが高いことです。所有する部屋が1室のみの場合、そこが空室になると家賃収入がゼロになってしまいます。
空室リスクを引き下げる方法として、区分マンションを何室か持っておくといいでしょう。その際に、エリアや地域を分散させる、部屋のタイプを変えるといった対策をとると、さらに空室リスクも低くなります。
こうして見てみると、1棟物件にも区分マンションにもメリットとデメリットがあることがお分かりいただけたでしょう。それぞれの特性を十分に把握した上で、自分の予算や希望に合わせた不動産投資を考えてみてください。