オーナーチェンジ物件で、前オーナーに聞いておくべきポイント
2023年10月2日
オーナーチェンジ物件は、入居者がいる状態で売買されるため収入の見込みが立てやすく、投資用物件として人気となっています。
しかし、前オーナーからの引き継ぎがきちんと行われないと、思わぬトラブルに繋がることも。オーナーチェォンジ物件購入の際、前オーナーに確認しておきたいことをまとめました。
まず確認すべきは賃貸借契約書と家賃の収集状況
オーナーチェンジ物件を購入するに当たって、まず確認したいのが、現在の入居者と前オーナーが交わした賃貸借契約書です。オーナーチェンジ物件では賃貸契約も引き継がれるため、契約内容を確認しておくようにしましょう。
実は、前オーナーが賃貸契約書を紛失していることも決して珍しくありません。もし前オーナーが契約書を紛失していた場合は、物件の管理を委託している管理会社や入居者自身に問い合わせて、契約内容を確認しましょう。
賃貸借契約書には、室内の設備が付属物なのか前住人の残置物なのか、解約時の敷金の精算方法、契約解除や明け渡しの条件など、さまざまな項目が書かれています。新オーナーにとって不利な内容であっても契約は引き継がなければならないので、物件購入前にチェックしておきたいものです。
また、賃貸借契約の際に家賃保証会社を利用しているのに、賃貸借契約書には保証会社についての記載がないこともあります。保証人が立てられていなければ、保証会社を利用していることがほとんどですが、中には保証人を立てた上で保証会社との契約を入居者に求めている物件もあります。
家賃保証会社との契約には、毎月の家賃回収も保証会社に委託するタイプと、家賃の滞納があった時のみオーナーが保証会社に連絡するタイプがあります。家賃保証会社を利用しているのか確認すると同時に、どんな契約内容になっているのかのチェックも必要です。
特に滞納時のみ連絡するタイプの場合、保証会社を利用していることをオーナーが知っておかないと、いざという時に使えなくなってしまいます。家賃回収まで委託しているタイプでも、オーナーの変更を保証会社に連絡しなければならないので、必ず確認しましょう。
現在の入居者についての情報も、できる限り収集しておきたいものです。特に、家賃の滞納はないか、滞納がなかったとしても毎月期日通りに入金されているかは、確認しておきましょう。
家賃の入金が遅れると、収入計画が崩れることになります。そのほかの入居者情報についても、後々トラブルなどが起こった際に解決の糸口になることもあるので、詳しく知っておくに越したことはありません。
法定点検履歴や修繕履歴、ゴミ出しのルールも把握しておきたい
アパートやマンションの一棟買いの場合は、共用設備の法定点検履歴や修繕履歴も確認しておきましょう。次の設備点検時期や修繕が必要になる時期を知ることができますし、その際にかかる経費の予算も立てやすくなります。
法定点検の報告書や修繕の納品書などの書類は、新オーナーが要求しない限り、引き渡されず処分されてしまうことも少なくありません。物件の管理をする上で役立つものなので、残っているならぜひ受け取っておきたいものです。
意外な盲点となりがちなのが、ゴミの集積場所や収集日について。現在の入居者は当然知っていることなので、物件を購入した当初は知らなくても特に問題は起こりません。しかし入居者が入れ替わった際、オーナーが知っておかないと新入居者に正しく説明できなくなってしまいます。
物件の敷地内にゴミ集積所があれば、物件の管理を委託している管理会社が共用設備として管理してくれますし、ゴミ出しのルールについても把握していることでしょう。しかし、ゴミ集積所が敷地外の場合、管理会社ですら把握していないことも。
地域のゴミ集積所は町内会などが管理していて、町内会に入っていない人は捨てられないこともあります。敷地内にゴミ集積所があっても、資源ゴミのみ地域の集積所を使うといったケースもあります。
ゴミ出しのルールは、近隣トラブルの原因にもなりやすいポイントです。できれば前オーナーや管理会社だけでなく、地区の町内会や清掃局にも確認して、しっかり把握しておきましょう。