約40%の金融機関が採用している「審査金利」とは?
2023年08月25日
住宅ローンを申し込むと、申し込み者の収入や年齢、信用度などさまざまな要素に基づいて審査が行われます。その際に使われる「審査金利」をご存知でしょうか。
住宅ローン審査を確実にパスするためにも、ぜひ審査金利について知っておきましょう。
住宅ローンの審査金利とは?
審査金利は、金融機関が住宅ローンの審査を行う際に使う金利です。店頭に表示されている金利や、実際に融資する際の金利よりも、かなり高めに設定されていることがほとんどです。
住宅ローン審査がどのように行われるかは、金融機関によって違いますし、その詳しい内容は公開されていません。ですが、返済負担率は重要視されると考えていいでしょう。
住宅ローンの返済負担率とは、申込者の収入に占めるローン返済額の割合のことで、一般的には25%以下が望ましいとされています。返済負担率を求めるには年間のローン返済額を計算しなければなりません。その際に使われるのが審査金利です。
なぜ審査金利は、実際の融資の際に使われる実行金利よりも高く設定されているのでしょうか。その理由は、金融機関のリスクヘッジのためです。
現在は歴史的な低金利の状態が続いていますが、将来的には金利が上昇すると見られています。変動金利や当初固定金利で住宅ローンを組んだ場合、金利が上昇すれば返済金額も増えます。
現在の金利で審査をすると、金利が上昇した際に返済できなくなる可能性も出てくることでしょう。そうならないために、少々高めの金利で審査を行っているのです。
住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンを取り扱っているすべての金融機関のうち約40%が審査金利を採用しています。審査金利を使っていない金融機関は約35%、残りの約25%はケースバイケースとなっています。
どの金融機関が審査金利を採用しているのか、ぜひとも知りたいところですが、金融機関名は一切公開されていません。つまり、金融機関ごとの審査基準を調べるのは不可能ということです。
審査金利がどのくらいなのかも非公開ですが、実行金利に2~3%上乗せしているといわれています。2023年現在の実行金利が1%前後ですから、審査金利は3~4%と推測されます。
住宅ローン審査を確実に通るためには、金利4%で計算した年間返済額が年収の25%以下になるよう、借り入れ希望額を設定するといいでしょう。この場合の年収は、額面ではなく手取りで計算します。
もっとも。審査金利を使って住宅ローン審査をする場合、返済負担率が35%程度までなら審査に通るともいわれています。また審査金利を採用している金融機関でも、全期間固定金利の場合は金利変動リスクがないので、審査金利は使われません。
住宅ローンを利用してのマイホーム購入を考えるなら、審査金利をよく知って、ローン審査の対策をしておきたいものです。また、無理のない借入金額でのローンの申し込みにも役立つことでしょう。