不動産投資のレバレッジ効果とは?
2023年7月12日
不動産投資でよく聞く言葉として「レバレッジ効果」があります。レバレッジ効果とはどういう意味なのか、具体的な例を挙げて解説します。
レバレッジ(Leverage)という言葉を英和辞典で引くと、「テコの作用」と書かれていると思います。テコの作用とはつまり、小さな力で大きな効果を上げること。転じて、「活用」といった意味もあります。
不動産投資でいうレバレッジ効果とは、少ない資金でより大きな収益を上げることを指します。どういうことなのか、具体的な数字を上げて実証してみましょう。
例えば、自己資金が1000万円あったとします。その1000万円で、実質利回りが5%の投資用物件を購入すると、年間の収益は50万円です。
一方、自己資金1000万円を頭金にして、年利3%の投資ローンで2000万円を借り入れて、3000万円の投資用物件を購入した場合はどうでしょうか。
実質利回りを同じく5%とすると、物件から得られる年間収入は150万円です。初年度に支払うローン利息分は約60万円ですから、年間家賃収入150万円-初年度利息分60万円で、90万円の収益があったことになります。
自己資金1000万円のみで投資用物件を購入した場合の収益は年間50万円。自己資金と投資ローンの借入金を合わせて3000万円の物件を購入した場合の収益は年間90万円。
つまり投資ローンを利用した場合は、自己資金のみでの投資より1.8倍のレバレッジ効果があったことになります。
逆レバレッジ効果に注意
レバレッジ効果は、不動産投資を積極的に行っていくための考え方のひとつです。しかし、金融動向などによっては「逆レバレッジ」と呼ばれる状態になってしまうので、注意が必要です。
先に上げたケースと同じく、自己資金1000万円と投資ローンの借入金2000万円を合わせた3000万円で、実質利回り5%の投資用物件を購入したとしましょう。しかし、投資ローンの金利は5.5%だったとします。
すると初年度に支払う利息分は約110万円になります。不投資物件から得られる収入150万円から利息分を差し引くと、年間の収益は40万円にしかなりません。
これでは「わざわざ投資ローンを組まず自己資金1000万円のみで物件を購入し、年間50万円の収益を上げたほううがよかった」という状態になってしまいます。これが逆レバレッジです。
「投資ローンの金利が高い」あるいは「物件の実質利回りが低い」場合、逆レバレッジが起こりやすくなります。逆レバレッジにしないためには、金利の動向や賃貸住宅の市場状況などを見て、投資を行うことが大切です。
また実際に投資ローンを組んで物件を購入した場合、毎月支払わなければならないのは利息だけではありません。元金の返済分と利息分を合わせた金額が、毎月の支払額になります。
いくらレバレッジ効果が上がっていても、投資用物件で得られる収入がローン返済額を下回っていては、足りない分が持ち出しとなってしまいます。その状態が長く続くと、最終的にはローンの返済ができず破綻してしまうことも。
投資ローンを利用する際は、空き室リスクや万が一の災害などについても考えに入れた上で、借入金額を決めるようにしましょう。