投資用ローンの金融機関はどうやって探せばいい?
2023年6月2日
不動産投資では、多くの人が投資用ローンを利用して物件を購入しています。でも「これから投資を始めたい」という場合、どこから融資してもらえばいいのか分からない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、投資用ローンの融資先の探し方をご紹介します。
「これから不動産投資を始める」「今までまったく取引実績がない」という場合には、まず不動産会社に相談してみましょう。
不動産会社には、それぞれ取引をしている金融機関があります。不動産会社に相談すれば、取引先の金融機関を紹介してもらえます。
融資してくれる金融機関を自分で探すのは、あまりおすすめできません。なぜなら、いきなり飛び込みで融資を依頼しても、ローン審査の申し込みすら受け付けてもらえないことがあるからです。
不動産投資ローンは、自宅を購入するための住宅ローンとは違い、事業ローンに当たります。つまり企業同士の取引と同じと考えるといいでしょう。
例えば仕事で営業を行うとして、初めて訪れる会社に飛び込みで営業をかけても、話すら聞いてもらえないことがあります。投資ローンの申し込みも同じで、個人でいきなり申し込もうとしても、「不動産会社に紹介を依頼できないような、問題のある顧客なのでは」と、不要な警戒心を抱かせてしまいます。
しかし、不動産会社を通して金融機関に話を持ちかけることで、一定の信用が得られます。「不動産会社が紹介してくるなら、特に問題ある顧客ではないだろう」と判断されるのです。場合によっては、金利が多少優遇されることも。
金融機関の公式ウェブサイトなどを見て、ぜひ融資を申し込みたいと思っても、まずはその旨を不動産会社に相談してみるべきです。不動産取引のプロとしての立場から、役立つアドバイスが受けられることでしょう。
投資ローンを取り扱っている金融機関の種類と、審査の難易度
不動産投資ローンを取り扱っている金融機関には、銀行、信託銀行、信用金庫、ノンバンクなどがあります。それぞれの特徴や、ローン審査の通りやすさを見てみましょう。
○メガバンク(都市銀行)
金融機関と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、メガバンク(都市銀行)でしょう。メガバンクは一般の投資家よりも、企業への融資を優先する傾向があります。
そのため審査のハードルは、かなり高めです。ただし審査が通ってしまえば、融資の上限金額や金利などの面で優遇が受けられます。
○地方銀行
地方銀行には、個人への融資を積極的に行っているところと、そうではないところがあります。積極的な地方銀行なら、メガバンクに比べると審査の難易度は低く、金利もそれほど高くはありません。
地方銀行は地域に根ざした銀行なので、住まいや投資物件の場所によって、申し込める銀行が限られます。縁故があれば、かなり有利な契約を結ぶこともできるでしょう。
○ネット銀行
ネット銀行では、審査の申し込みから契約まで、すべての手続きがオンラインで行われます。実店舗を構えていない分、ほかの金融機関に比べて金利が低めという特徴があります。
しかし、面談を行うことなくすべて書面上で審査されるため、人柄や投資への意欲などをアピールできません。そのため、審査の難易度は高いと考えておきましょう。
○信託銀行
信託銀行は、銀行業務だけでなく、不動産や株式の信託業務を行っている金融機関です。審査のハードルはそれほど高くなく、金利も低めのところが多くなっています。ただし、メガバンクや地方銀行に比べると、手数料が高い傾向があります。
○信用金庫・信用組合
信用金庫や信用組合は、地域の企業が相互扶助のために組織した金融機関です。そのため、地域内に住んでいるか、物件が地域内にあるかでないと、融資は受けられません。
信用金庫・信用組合は縁故があれば、かなり有利な条件で融資が受けられると考えていいでしょう。一度融資を受けると、2件目、3件目の融資も通りやすくなります。
○日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、政府が出資している金融機関なので、金利は低く抑えられています。ローン審査も、ほかの金融機関とはまったく違い、収入や勤務先といった個人属性を重視していません。
投資物件を「事業としてどうなのか」という面で審査するので、優良物件ならば専業主婦や高齢者でも審査が通りやすくなっています。ただしローン申し込みの際には、事業計画書の作成が必須となっています。
○ノンバンク
ノンバンクは、預金業務を行っていない融資に特化した金融機関です。消費者金融と同じようなものと考えてください。
審査の難易度は低く、安定した収入があれば、まず審査に落ちることはありません。しかしその分、金利が高めになっています。