中古住宅は住宅ローンの利用に制限があるって本当?
2023年5月24日
マイホームの購入を希望される方の中には、「中古物件だと住宅ローンの審査が通りにくいのでは?」「中古物件だと、住宅ローンの返済期間が短くなるのでは?」といった不安を口にする方がいらっしゃいます。
本当に中古物件はローン審査が通りにくいのか、住宅ローンの利用条件が厳しくなるのか、詳しく解説します。
結論から言うと、購入する物件が中古であっても、新築住宅と同じように住宅ローンを利用できます。多くの金融機関では、購入する物件が新築か中古なのかはそれほど気にしません。
もちろん、物件の金銭的価値を判断するにあたっては、物件の築年数も重要な項目のひとつになります。しかし、ほかにも立地や間取り、設備などさまざまな項目が関係してくるため、単純に「新築物件は中古よりも価値がある」とは言い切れないのです。
同じ3LDKのマンションでも、駅前ある築10年のマンションのほうが、駅から徒歩20分の新築マンションより値段が高かったといったケースも決して珍しくありません。物件の価値は、新築か中古かだけでは判断できないのです。
ただし一部の金融機関では、中古住宅際を購入する場合、住宅ローンの借入期間や借入金額に制限を設けていることがあります。そして、築何年以上なら制限がかかるのかといった細かい基準については、一切公表されていません。
実は住宅ローン審査の項目や基準は、金融機関によって違っています。国土交通省が毎年行っている「民間住宅ローンの実態に関する調査」の2022年の調査結果によると、90%以上の金融機関が採用している住宅ローンの審査項目は、以下の9つです。
・完済時の年齢 98.7%
・申込者の健康状態 97.9%
・借入の年齢 97.2%
・物件の担保評価 96.1%
・勤続年数 93.2%
・連帯保証 93.1%
・返済負担率 93.0%
・年収 92.9%
・金融機関の営業エリア 90.7%
これ以外の項目については採用率が格段に低くなっていますが、中には「家族構成」「職種」「国籍」といった審査を行っている金融機関もあることがわかっています。
つまり、「A銀行ではローン審査に通らなかったが、B銀行では通った」というケースは、決して珍しくないのです。万が一ローン審査に通らなかった場合は、ほかの金融機関に申し込むといいでしょう。
中古住宅では住宅ローン控除が使えない可能性も
中古住宅を購入する際、住宅ローンは問題なく利用できたとしても、住宅ローン控除が使えない可能性があることは覚えておきたいものです。
住宅ローン控除を受けるには、さまざまな条件があります。そのひとつが、住宅ローンで購入した住宅の築年数です。
住宅ローン控除は、基本的に「築年数20年(マンションなどの耐火建築物は25年)以下」」の物件でないと利用できません。それよりも古い物件の場合は、以下の3項目のうちどれか1つを満たしている必要があります。
・住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得していること
・耐震基準適合証明書を取得していること
・既存住宅売買瑕疵保険に加入していること
中古物件を購入する際には築年数だけでなく、住宅の性能や耐震基準はどの程度なのか、それを証明する書類はあるのかといったことも確認しておきましょう。