自分の収入に見合った物件価格は、どうやって計算する?
2023年5月10日
マイホーム探しをする際、「どのくらいの価格なら無理なくローン返済できるのか」と判断に迷う人も多いのではないでしょうか。
住宅ローンの返済は、毎月の固定費の中でも負担が大きいもの。
年収に見合った借入額の計算方法を知ることで、家探しがしやすくなるだけでなく、無理のない毎日を送れるようになるはずです。
「年収の何倍」という計算方法はNG
よく「住宅ローンの借入可能額は年収の7~10倍」といわれています。ただしこれは借りられる最大の金額であって、「余裕を持って返済できる金額」とは限りません。ちなみに住宅金融支援機構が毎年公表している「フラット35利用者調査」では、借入金額は平均して年収の5.3倍という結果が出ています。
世帯年収が同じでも、世帯によって家族構成や人数は異なります。総務省が毎月行っている「家計調査」によると、2人世帯の支出額は2022年の平均で約25.5万円だったのに対して、3人世帯では30.4万円、4人世帯では33万円でした。つまり、家族構成によって住宅にかけられる金額も変わってくるということです。
さらに奨学金の返済、カーローン、教育ローンなど有無によって、家計の状況は変化します。単純に「年収の何倍」で計算して住宅ローンを組んでしまうと、実際に返済が始まってから「想像以上に負担が大きかった」ということになりかねません。
そういった事態を避けるためにも、「月々どのくらいの金額なら支払っていけるのか」という視点で考えることをおすすめします。
月々どのくらい支払えるかで計算する
まずは毎月の手取り収入から、住宅費としていくら払えるのかを考えてみましょう。毎月かかる生活費のほかに、クレジットカードのリボ払い、スマートフォンの分割支払金、奨学金の返済、カーローンなども忘れずに計算に入れてください。
月々に支払える金額が出たら、ネットで使える「住宅ローンシミュレーション」を試してみましょう。住宅ローンを取り扱っているほとんどの金融機関では、無料で使える住宅ローンシミュレーションを公開しています。
主な金融機関の住宅ローンシミュレーションは以下の通りです。サイトによって使い方は多少異なりますが、月々の返済額から借入可能金額を計算できるほか、返済年数や金利などの条件を変えて比較することもできるので、いろいろ試してみるといいでしょう。
みずほ銀行
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/loan/simulation/
三井住友銀行
https://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/simulation/
りそな銀行
https://www.resonabank.co.jp/kojin/jutaku/simulation/shinki/month.html
住宅金融支援機構「フラット35」
https://www.flat35.com/simulation/sim1.html
住宅ローンシミュレーションで導き出された借入額と、自己資金を合わせた額が、自分の収入に見合った物件価格となります。
ただし、住宅ローンシミュレーションで計算された借入可能額は、あくまで概算です。個々の状況によっては、シミュレーションで出た金額が借りられない、シミュレーションよりも金利が高くなるといったこともあるので、注意が必要です。
実際に不動産を購入すると、月々の住宅ローンの返済以外にもさまざまな維持費がかかってきます。分譲マンションでは毎月、管理費や修繕積立金が請求されます。一戸建ての場合は、建物の経年劣化や台風などによる被害を考えて、ある程度の修繕費を用意しておきたいものです。
月々に返済できる住宅ローンの金額を考える際には、そういったランニングコストも計算に入れておきましょう。そうしないと、住み始めてから「こんなはずではなかった」と思うことにもなりかねません。
住宅ローンを無理なく利用するなら、月々のローン返済額とランニングコストを合計した金額が、収入の25~30%に収まるようにするのが理想的です。