投資目的の不動産購入でも、物件見学をしたほうがいい?
2023年4月3日
マイホームの購入を検討する際、多くの人は物件の見学に訪れることでしょう。
でも、自分が住むのではなく、投資目的で購入する場合はどうでしょうか?
できれば投資目的でも、物件見学はしておきたいもの。
なぜ見学したほうがいいのか、また見学の際にチェックすべき点も合わせて見てみましょう。
投資目的で不動産を購入する場合、「自分が住むわけではないから、見学しなくてもいいか」と思ってしまいがちです。しかし、物件の場所が遠いといった特別な理由がない限り、物件見学はしておくことをお薦めします。
購入した物件は、賃貸契約を結んでくれる人がいなければ収益が上がりません。借り手にとって魅力的な部屋かどうかが、投資の成功と失敗を分けるカギといえます。
ですから物件を見学する際には、自分が入居するつもりで各所をチェックしてみましょう。設備、日当たり、騒音、臭い、汚れなど、間取り図や築年数といったデータを見ただけでは、分からないことがたくさんあります。
また、見学の際には「入居者としての視点」に加えて「投資家としての視点」をもつことが大事です。投資家としてどんな部分をチェックしたらいいのか、詳しく見てみましょう。
集合住宅の場合は、まず集合ポストを見てみましょう。
ポストを見れば、大体の入居率が分かります。入居率が高ければ、借り手がつきやすい物件ということになります。
入居率をもっと正確に知りたい場合は、各部屋のメーターボックスを開けて、ガスや電気が改選されているかどうかで判断します。
集合住宅の多くは、入居者に対するお知らせが貼られている掲示板があります。
掲示板に貼られた注意事項をチェックして、入居者による迷惑行為はないか確認しておきましょう。
近隣トラブルがある物件は、借り手がついてもすぐに出てしまい、安定した収益が得られないことも。
さらに、必ずチェックしたいのがゴミ集積場と駐輪場です。
ゴミ集積場や駐輪場が雑然としている物件は、管理状況があまりよくないということ。
エントランスなど共用部がきちんと清掃されているかも、判断材料のひとつになります。
戸建て物件でまずチェックしたいのは、雨漏り、シロアリ被害、建物の傾きです。
この3つは修繕にかかる費用がケタ違いに大きくなりがちなので、もし見つけた場合、投資には向いていないといえます。
雨漏りのある箇所は天井にシミができるので、すべての部屋の天井をよく見てみましょう。
押し入れなど収納部の天井は見落としがちなので、懐中電灯などで照らしてチェックするのがお薦めです。
シロアリについては、床下を覗いてチェックします。
建物の傾きは、床にビー玉を置いて転がるかどうかで判断します。ただし、どちらも素人目には判断が難しいケースがあるので、専門業者に調査を依頼するのが確実でしょう。
また、前面道路の幅も見ておきたいポイントです。
前面道路の幅が4メートル未満だと、取り壊して建て直すことになった際に、建築可能な面積が減ってしまうことがあります。
これは物件情報に「再建築不可」「セットバック○メートル」のように表示されているので、簡単にチェックできます。
さらに、土地の境界線を示す杭や石があるか、簡単には動かないようになっているかをチェックします。
土地の境界線がはっきりしないと、近隣トラブルになることも。
万が一、庇(ひさし)や庭木などが境界線を越えている場合は、すぐに不動産会社に相談しましょう。
投資目的で不動産を購入する場合は、法務局で登記簿をチェックしておきたいものです。
登記簿を見れば、これまでの物件所有者の変遷が分かります。
所有者が短期間で次々と変わっている場合は、人気がなく収益が上がりにくい物件かもしれません。
また、近隣の物件をチェックして、競合物件がどのくらいあるのかも見ておきたいところ。
自分の足で見て歩くのもいいですが、地元の不動産会社を訪れてみてはいかがでしょうか。
周辺の地域でどの程度の賃貸需要があるのか、賃料の相場といった情報は、不動産会社が一番よく知っています。
自分や家族が気に入って住む物件なら、いずれも知らなくてもいい情報でといえます。
しかし、投資が目的で不動産を購入する場合には、思った通りの収益を上げるためにも、シビアにチェックしておきたいものです。