不動産投資ローンと住宅ローン、何がどう違うのか？

 

住宅ローンは、自分が住む物件を買うために組むローンです。それ以外の目的で利用すると契約違反になるため、一括返済が求められたり、最悪の場合は詐欺罪で訴えられたりといったこともありえます。

ですから、投資用物件を買う際には、住宅ローンではなく「不動産投資ローン」を利用することになります。

住宅ローンと不動産投資ローンでは、金利も違います。一般的には不動産投資ローンのほうが、住宅ローンより金利が高くなっています。その理由は、貸し倒れリスクの違いです。

住宅ローンは、毎月の給料という安定収入の中から返済していくので、金融機関にとっては信用できる融資先といえるでしょう。一方、不動産投資ローンは購入した投資用物件の家賃収入から返済していきます。

投資用物件は、空室の期間があったり、家賃の相場が下落したりで、安定した収入が得られるとは限りません。場合によってはローンの返済が滞る「貸し倒れ」になってしまうこともあります。

金融機関としては、融資先の信用度が低いほど、早く収益を上げるため金利を高く設定します。そのため不動産投資ローンは、住宅ローンよりも金利が高いのです。

不動産投資ローンは一般的に、住宅ローンより融資金額の上限が高くなっています。住宅ローンで借りられるのは年収の5～8倍程度ですが、不動産投資ローンなら年収の10～20倍の金額を借り入れることも夢ではありません。

その違いは、個人に対する融資なのか、事業に対する融資なのかにあります。

投資用物件を購入して家賃収入を上げていくことは、どんな小規模であっても事業と見なされます。ですからローン審査の際には、借りる人の年収や貯金額に加えて、購入する物件でどのくらいの収益が上げられるのかも考慮されます。

一方、住宅ローンはあくまで個人で消費するお金を融資するシステムです。そういう意味では、消費者金融と大きな違いはないと言ってもいいでしょう。

住宅ローンで購入した物件は、借り主が住むためのものであって、そこから収益が得られるわけではありません。

そのためローン審査でも、借りる人の年収や年齢といった個人情報のみが審査の対象となります。

個人の信用度だけで審査される住宅ローンより、個人の信用度に購入物件の信用度もプラスして審査される投資用ローンのほうが、融資金額が大きくなるのも当然のことでしょう。