不動産広告で見る「徒歩○分」とは、どのくらいの距離?
2023年3月24日
不動産広告で見る「徒歩○分」とは、どのくらいの距離?
不動産の広告では「××駅から徒歩5分」といった表記をよく見かけます。この「徒歩5分」とは、どのくらいの距離なのでしょうか。また、どうやって計算しているのでしょうか。ここで詳しく解説します。
結論から言うと、不動産広告では「徒歩1分=80メートル」で計算します。この計算方法だと端数が出ることも多いのですが、その場合は切り上げで計算します。
つまり、1~80メートルなら徒歩1分、81~160メートルなら徒歩2分、161~240メートルなら徒歩3分、241~320メートルなら徒歩4分、321~400メートルなら徒歩5分……となるわけです。
この「徒歩1分=80メートル」という計算方法は、「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」で定められています。「表示規約」は不動産業界が自主的に定めたルールですが、従わない場合には公正取引委員会から行政処分が下されることもあります。
ですから、どの不動産広告でも「徒歩1分=80メートル」という距離は変わりません。駅の目の前にあって、実際には10秒かからずにたどり着ける物件でも、「徒歩1分」と表示しなければならないのです。
「不動産の表示に関する公正競争規約」には、距離の測り方についても詳しく定められています。
・直線距離ではなく、道路に沿って測ること
・横断歩道や歩道橋を渡るために迂回しなければならない時は、その距離も含めること
などです。ただし、急な坂道などで歩く速度が遅くなったとしても、その分の時間は含めなくていいことになっています。また、信号待ちや踏切待ちの時間も考えなくていいとされています。
さらに多くの場合は、実際に人が歩いて距離を計測するのではなく、地図上で距離を測って計算しています。そのため、ほんのわずかな距離ではありますが、実測距離とのズレが出てしまうこともあります。
例えば「駅から徒歩5分」といった場合、駅のどこから物件のどこまでを測るのでしょうか。
駅の場合は、ホームや改札口ではなく、駅舎の出入口からの距離となります。東口、西口といったように出入口が何カ所もある駅舎なら、物件に一番近い出入口からの距離を測ります。地下鉄など出入口がはっきりしない場合は、「A1番出口」といった階段の公道と接している部分を出入口と考えます。
物件の場合は基本的に、建物の玄関が起着点となります。メインエントランス、サブエントランスのように出入り口が複数箇所あるマンションなどは、駅に一番近いエントランスまでの距離となっています。
中には団地のように、広い敷地にいくつも建物が建っている物件もあるでしょう。実は以前は、敷地の端が起着点となっていましたが、2022年9月に「不動産の表示に関する公正競争規約」が改正されて、販売されている部屋のある建物入口までに変更になりました。
何棟もある大型マンションで、駅から一番近い棟にある部屋と、一番遠い棟にある部屋が同時に販売されるようなケースでは、「駅から徒歩2~5分」といった表示にしなければならないのです。
不動産広告では、「最寄りのA駅からB駅まで○分」のように公共交通機関の所要時間が表記されていることがありくます。この所要時間についても、2022年9月からルールが変更になりました。
以前は、基本的に平常時の所要時間を表記し、朝の通勤ラッシュ時などで大幅に所要時間が変わってしまう場合のみ注釈をつければいいとされていました。それが現在は、「表示するのは朝の通勤ラッシュ時の所要時間」と定められました。
また、乗り換えがある場合は乗り換えに必要な時間も含める、特急や急行などの列車の種別も明記するといった細かいルールも追加されました。そのため現在では
といった表記になっています。
2022年9月の表示規約改正で、不動産広告の表記がよりユーザー目線になったといえるでしょう。でも実際には、さまざまな要因で所要時間は変わってきます。不動産広告の距離や所要時間は、あくまで参考程度に受け止めておくのが賢明でしょう。
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